太陽光発電で知っておきたい法律
最終更新日 2021年3月11日
監修・著者 ソーラーパネル業界人 山田 弘樹
「太陽光発電で知っておきたい法律」
空き室対策が不要で、入居者とのやり取りも不要なことから、不動産投資に代わる投資方法として、太陽光発電が注目を集めています。しかしながら意外にも数々の法律が関わってきますので、その一部をご紹介していきます。
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パネルの下に家屋などがある場合
投資として太陽光発電を始める場合でも、屋根上に発電パネルを取り付ければ、建築基準法が関わってきます。そのため、投資では「野立て」という設置方法で行うケースも多く、これは更地に発電パネルを敷設するスタイルです。これならパネルの下へは保守管理以外で人が入ることはありませんので、基本的に建築基準法の対象になりません。ただし、パネルの下の空間を活用して、ちょっとした家屋などを用意しますと、建築基準法が絡んできます。とは言え、実際は状況毎で法解釈が変化する場合もあるため、詳細は法律の専門家に意見を仰ぐのが肝心です。
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発電出力によっては電気事業法が対象となる
太陽光発電システムで特に関わる法律が、電気事業法です。しかし、これは発電出力によって適用される場合と適用されない場合があり、比較的小規模の発電システムなら対象外となります。例えば、一般家庭向けの太陽光発電は出力が4KW前後のため、条件を満たしておらず、届け出なくても良いのが一般的です。ところが、出力が50KWを超えるなど、発電容量が多い設備では電気事業法の対象となります。ですからその発電システムの敷設者や使用者は、保安規定を定めて届け出なければならず、保安および監督にあたる電気主任技術者を置く義務も発生します。
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設置場所によって関わる法律が異なる
太陽光パネルを設置する際に木々を切り倒すなら、森林法が関わってきます。主に1ヘクタールを超える面積を開墾する場合、開発の許可申請を出さねばならず、現地調査や森林審議会などを経て、認められれば許可が下ります。しかしながら、1ヘクタールに満たない面積でも、木々を切り倒すなら伐採届けの提出が必要です。一方、太陽光発電は日照りが良ければ沢山発電できますから、その意味では周囲に大きな建物がない農地は絶好の設置場所になります。とは申せ、ここで障壁となるのが農地法です。さらに、農地からの転用は敷居が高いのも有名な話です。そこで、現在は発電しながら太陽光パネルの下で作物を育てる営農型が、解決方法の1つになっています。
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まとめ
太陽光発電は、屋根上に発電パネルを取り付ければ建築基準法が関わり、発電出力次第では電気事業法も関わってきます。さらに、木々を切り倒して敷設するなら森林法を守る必要があり、農地を活用する際は農地法を厳守しなければなりません。このように太陽光発電は、出力や設置場所などで様々な法律が関わってきます。
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【この記事を書いた人】山田 弘樹
これまでに太陽光発電会社での営業を10年経験しました。もちろん、自宅にも設置しています。業界にはかなり精通しています。